イメージ 仏間リフォームの費用目安|工事別の金額と、見積もりが何倍も違う5つの理由【建築設計者が解説】
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この記事は、建築設計の実務に携わる運営者が、各社が公開している費用の目安を出典付きで整理したものです。
結論:仏間の工事は5万円から100万円超まで。差を生むのは「どこまで触るか」
仏間リフォームの費用は、床の間の飾り棚を外すだけなら5万〜10万円です。押入れを仏間に作り替えると23万〜45万円、仏間を洋室にすると26万〜100万円が、公開されている目安になります。
同じ「仏間リフォーム」でも、金額は20倍近く開きます。理由は工事の範囲です。棚を外すだけか、床・壁・天井・電気まで触るかで、職人の数と日数が変わります。
この記事の数字は、各社が公開している目安を出典付きで並べたものです。実際の金額は、現地を見た見積もりで決まります。手元の見積もりを読む物差しとして使ってください。
| やりたいこと | 公開されている目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 床の間の飾り棚を外して仏壇を置く | 5万〜10万円 | エス・ケイ・ハウス |
| 床の間を仏間にする(簡単な改装) | 3万〜10万円 | ゼヒトモ |
| 床の間の中に仏間を造る | 20万〜25万円 / 20万〜60万円 | エス・ケイ・ハウス / ゼヒトモ |
| 押入れを仏間にする | 23万〜45万円 | ゼヒトモ |
| 仏間に扉を付けてクローゼット風にする | 15万〜30万円 | ゼヒトモ |
| 仏間を収納にする | 20万〜50万円 / 38万〜90万円 | オムラ / ゼヒトモ |
| 仏間を洋室にする | 26万〜100万円 | ゼヒトモ |
| 和室全体を洋室にする | 70万〜120万円 | オムラ |
| 閉眼供養(魂抜き)のお布施 | 1万〜5万円 / 3万〜10万円(僧侶手配を含む) | ゼヒトモ / オムラ |
出典はいずれも2026年10月4日に確認した各社の公開記事です(記事末に一覧)。
同じ工事なのに、なぜ数字が何倍も違うのか
表を見ると、「床の間を仏間にする」だけで3万円から60万円まで割れています。ひとつのサイトの中でさえ、本文では3万〜10万円、表では20万〜60万円と書かれていました。
どちらかが間違っているのではありません。含めている工事が違うのです。設計の立場から見ると、金額を動かす要因は次の5つに絞れます。
1. 床の間の床が「板」か「畳」か
床の間の床には、一枚板を張ったもの、畳を敷いたもの、一段高い「床框(とこがまち)」が付いたものがあります。
飾り棚を外して、板の床に仏壇を置くだけなら工事は小さく済みます。これが5万〜10万円の世界です。
畳敷きや段差のある床の間は、仏壇を安定して置くために床板へ張り替えます。エス・ケイ・ハウスの記事も、二段床や床畳だと張り替え分が加わると書いています。
2. 押入れの中段と天井をどうするか
押入れを仏間にする時、金額を押し上げるのは中段の撤去と内側の仕上げです。押入れの内側は、ベニヤ板のままのことが多くあります。仏壇の背景として見える面になるので、壁紙や塗装で仕上げ直します。
押入れの奥行きは、内側で80cm前後のことが多くあります。気をつけたいのは高さです。床に置く「台付き型」の仏壇は背が高いものが多く、天袋(上の小さな収納)の下に収まるか採寸が要ります。天袋の床板まで外すと、工事はもう一段大きくなります。
3. 灯りのコンセントを中に作るか
仏壇の灯りや電気式の灯籠を使うなら、仏間の中にコンセントがあると配線が隠れます。
壁の中に配線を通す工事は、電気工事士の資格を持つ人しかできません。大工とは別の職人が来るので、その分の費用が加わります。延長コードで済ませるか、工事で作るかを、見積もりの前に決めておいてください。
4. 線香とろうそくの煤(すす)に備えるか
毎日線香を上げる家では、仏間の天井と壁に煤が付きます。白い布地の壁紙は汚れが目立ち、拭いても落ちにくい仕上げです。
拭き取れる壁紙や、塗装した木の板を選ぶと、汚れを落としやすくなります。材料の単価は少し上がりますが、張り替えの回数を減らせます。
5. 仏間を「なくす」と周りの部屋まで工事が広がる
仏間を洋室や収納に変える場合、仏間だけでは済まないことが多くあります。仏間は和室とつながっているので、畳をフローリングにするなら隣の和室の床と高さを揃える話になるからです。
ゼヒトモの目安では、仏間を洋室にする工事の内訳は次の5項目です。
| 工事項目 | 目安 |
|---|---|
| 畳の撤去とフローリング張り | 10万〜30万円 |
| 壁紙の張り替え | 10万〜20万円 |
| 天井の改装 | 5万〜15万円 |
| 襖(ふすま)の交換 | 3万〜22万円 |
| 照明器具の交換 | 3万〜10万円 |
合計で26万〜100万円です。手元の見積もりが「一式」とだけ書かれていたら、この5項目に分けて出し直してもらってください。どこにお金がかかっているかが見えると、削ってよい項目も見えてきます。
仏壇の供養と工事は、この順番で進める
仏間の工事でいちばん段取りを誤りやすいのが、仏壇の扱いです。工事の日程を先に決めてしまうと、お寺の予定と合わなくなります。
- 菩提寺に連絡する — 工事の時期が決まる前に相談します。お盆、春と秋のお彼岸、年末は法要が重なり、日程が取りにくい時期です
- 閉眼供養(へいげんくよう)を受ける — 仏壇から仏様の魂を抜く供養で、「魂抜き」とも呼ばれます
- 仏壇を移す — 工事中は別の部屋に移すか、仏壇店の預かりを使います。大型の仏壇は重く、運ぶ時に扉や彫刻を傷めやすいので、仏壇店に頼むと安心です
- 工事をする
- 開眼供養(かいげんくよう)を受ける — 新しい仏間に戻した仏壇に、もう一度魂を入れていただきます
浄土真宗は「魂抜き」をしない
浄土真宗には、仏壇に魂を入れたり抜いたりする考え方がありません。浄土真宗本願寺派の正宣寺は、仏壇を動かす時は「遷仏式」と「入仏式」を勤めると案内しています。呼び方が違うだけで、工事の前後にお寺へ頼む流れは同じです。
お布施の額は、お寺に聞いてかまわない
閉眼供養のお布施は、公開されている目安で1万〜5万円です。ただ、地域とお寺によって幅があります。
いちばん確かなのは、菩提寺に直接たずねることです。「お気持ちで」と言われたら、閉眼と開眼の2回分が要ることを伝えたうえで、地域の目安を聞いてみてください。菩提寺がない家は、仏壇を買ったお店に相談すると、近くのお寺を紹介してもらえることがあります。
仏間を残すか、変えるか
工事の前に、家族で決めておきたいのは「供養の場所をどうするか」です。選択肢は3つあります。
| 方針 | 工事の例 | 公開されている目安 |
|---|---|---|
| 仏間を残して整える | 内側の壁紙と照明の交換、扉を付ける | 10万〜30万円 / 扉は15万〜30万円 |
| 仏壇を小さくして別の場所へ移す | 小型の仏壇に替え、居間の棚に置く | 移設と置き場の造作で5万〜30万円 |
| 仏間をなくして部屋に変える | 収納、書斎、洋室にする | 20万〜100万円 |
仏壇を小さくする方法は、工事費より仏壇の買い替え費用のほうが大きくなる場合があります。仏壇店の見積もりと、リフォームの見積もりを並べて比べてください。
親や親戚の意見が分かれやすいのもこの場面です。費用の比較表を作ってから話すと、感情だけの話し合いになりにくくなります。
見積もりの頼み先は、金額で分ける
10万円以下の小さな工事は、地元の大工か工務店へ
床の間の飾り棚を外すだけ、襖を張り替えるだけの工事なら、近くの大工や工務店に直接頼むのが早道です。一括見積もりに出すほどの規模ではありません。
床・壁・電気まで触る工事は、複数社の見積もりを並べる
押入れを仏間にする、仏間を収納や洋室にする工事は、20万円を超えることが多くなります。この規模になると、同じ内容でも会社によって見積もりが大きく変わります。
1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのか判断できません。工事の範囲を揃えて、2〜3社の見積もりを並べてください。
一括見積もりサービスを使う場合は、次の2つが候補です。
- リフォーム比較プロ — 広告主の案内では、全国500社以上のリフォーム会社が登録しています。申し込みのあと、本人確認があります
- ニッカホームの見積もりサービス — 大手リフォーム会社が運営し、見積もりか下見までを無料で受けられます。運営元の店舗網を使うため、対応エリア外からは申し込めません。お住まいの地域が対象かどうかを、申し込み前に公式サイトで確かめてください
依頼する時は、次の4点をメモにして渡すと、各社の見積もりが比べやすくなります。
- 仏壇の種類(台付き型か上置き型か)と、幅・奥行き・高さ
- 仏間の中にコンセントが欲しいか
- 線香を毎日使うか
- 工事中、仏壇をどこに置くか
よくある質問
仏間の工事は自分でできますか
襖紙の張り替えや、置くだけの棚の設置なら自分でできます。床の張り替えは段差や水平の調整が難しく、仏壇が傾く原因になるので職人に任せてください。コンセントを増やす工事は、電気工事士の資格がないと行えません。
仏間をなくしても問題ありませんか
宗派と家の考え方によって答えが変わります。仏間を洋室や収納に変える工事は、リフォーム各社が費用の目安を公開しているほど一般的です。仏壇を移す先を決め、菩提寺に相談してから進めてください。迷う時は、仏壇を小さくして残す方法もあります。
工事中、仏壇はどこに置けばいいですか
同じ家の別の部屋に移すのが一般的です。置き場がない時は、仏壇店の預かりを使えます。どちらの場合も、動かす前に閉眼供養(浄土真宗は遷仏式)を済ませておきます。
まとめ
- 費用の目安: 床の間の棚を外すだけなら5万〜10万円、押入れを仏間にすると23万〜45万円、仏間を洋室にすると26万〜100万円
- 金額が割れる理由: 床の仕上げ、押入れの高さ、コンセント、煤対策、周りの部屋への広がりの5つ
- 段取り: 工事の日程より先に菩提寺へ連絡し、閉眼供養 → 移動 → 工事 → 開眼供養の順で進める
- 見積もり: 10万円以下は地元の大工へ。20万円を超える工事は範囲を揃えて2〜3社を並べる
出典(いずれも2026年10月4日確認)
- エス・ケイ・ハウス「床の間を仏壇スペースにリフォーム!疑問点と費用相場を解説」
- ゼヒトモ「仏間のリフォームにかかる値段相場は?仏壇のリメイク方法や注意点も紹介」
- オムラ「仏間のリフォームは何から考える?費用と注意点」
- 浄土真宗本願寺派 光寿山 正宣寺「お仏壇・お墓に関して よくあるご質問」
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