イメージ 床暖房のリフォーム費用はいくら?後付け・交換・撤去で金額が変わる理由を建築設計者が解説【2026年版】
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この記事は、建築設計の実務に携わる運営者が、各社が公開している費用の目安を出典付きで整理したものです。
※イメージ 結論:床暖房のリフォームは「後付け・交換・撤去」で金額の桁が変わる
床暖房のリフォームと聞くと「新しく入れる工事」を思い浮かべる方が多いですが、実際の相談は3方向に分かれます。新しく後付けする、古くなった床暖房を交換する、使わなくなった床暖房をやめて撤去するです。
公開されている目安では、1畳あたりの施工費用は直張り工法で約5万~8万円、床を全面張り替える工法で約8万~11万円です。これに本体費用(電気式で1畳あたり5万12万円、温水式で8万15万円)が加わります。温水式で熱源機(ボイラーやヒートポンプ)を新たに設置する場合は、25万~100万円が追加でかかります。
リビング・ダイニング・キッチン全体(40m²程度)に温水式を新設する場合は、公開されている事例で約100万~150万円。各部屋にパネルヒーターを入れてボイラーも設置する大規模な工事になると、250万~300万円まで膨らむケースもあります。
同じ「床暖房のリフォーム」でも、1部屋だけの後付けと、家全体への新設では金額が10倍近く開きます。差を生むのは方式(温水式か電気式か)と施工面積、そして床を剥がす工事か熱源機だけの交換かという工事範囲です。
この記事の数字は、各社が公開している目安を出典付きで並べたものです。実際の金額は現地を見た見積もりで決まります。手元の見積もりを読む物差しとして使ってください。
| 工事内容 | 公開されている目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 施工費用(直張り工法・1畳あたり) | 約5万~8万円 | ホームプロ・ゼヒトモ |
| 施工費用(全面張替工法・1畳あたり) | 約8万~11万円 | ホームプロ・ゼヒトモ |
| 本体費用(電気式・1畳あたり) | 5万~12万円 | ゼヒトモ |
| 本体費用(温水式・1畳あたり) | 8万~15万円 | ゼヒトモ |
| 熱源機の新規設置(温水式) | 25万~100万円 | ゼヒトモ・ホームプロ |
| LDK(40m²程度)に温水式を新設 | 約100万~150万円 | SUUMO |
| 各部屋+ボイラーの大規模新設 | 約250万~300万円 | SUUMO |
出典はいずれも2026年10月15日に確認した各社の公開記事です(記事末に一覧)。
あなたはどのパターンか、30秒チェックリスト
- 今は床暖房がない部屋に、新しく入れたい → パターン1(新設・後付け)
- 今ある床暖房の効きが悪い・壊れた・古くなったので直したい → パターン2(交換)
- 水漏れや使わなくなった床暖房をやめて、普通の床に戻したい → パターン3(撤去)
パターン1・2・3のどれに当たるかで、この先に読むべき章と、見積もりの頼み先が変わります。
パターン1|床暖房を新しく後付けする(新設)
工事内容
床の一部をはがし、下地と断熱材を整えたうえで、温水パネルまたは電気パネルを敷き、床材を張り直す工事です。温水式の場合はこれに加えて、熱源機(ガス給湯器タイプ・ヒートポンプタイプなど)の設置が必要になります。
公開されている目安
施工方法によって金額が変わります。既存の床の上に重ねて敷く「直張り工法」は、1畳あたり約5万8万円が目安です。既存の床をすべて撤去して張り替える「全面張替工法」は、1畳あたり約8万11万円が目安です(ホームプロ・ゼヒトモ)。
これに本体費用が別にかかります。電気式のパネル本体は1畳あたり5万12万円、温水式のパネル本体は1畳あたり8万15万円です(ゼヒトモ)。温水式を選ぶ場合は、さらに熱源機の設置費用25万~100万円が加わります。
リビング・ダイニング・キッチン全体(40m²程度)への新設では、公開されている事例で約100万~150万円という数字があります(SUUMO)。6畳程度の1部屋だけに絞るか、リビング・ダイニング・キッチン全体に広げるかで、金額の桁そのものが変わると考えてください。
温水式と電気式、どちらを選ぶかで初期費用もランニングコストも変わる
【設計実務の視点】「初期費用が安い」だけで方式を決めない
電気式は本体費用が温水式より安く、熱源機の設置工事も不要なため、初期費用を抑えやすい方式です。一方で温水式は、公開されている目安でランニングコスト(月額)が約4,500円程度(10畳想定)です。電気式は約3,500円~8,400円と幅があります(ホームプロ)。使用時間が長い寒冷地や、家族が多く在宅時間の長い家庭を想像してください。初期費用の差は、ランニングコストで数年のうちに埋まることがあります。
逆に、リビング・ダイニング・キッチンの一部だけ使う、来客時だけ使うといった場合は、電気式の方が工事も設置も軽く済みます。トータルで見て有利になりやすい傾向があります。使う時間と場所を先に決めてから方式を選んでください。
1部屋だけ入れる場合とリビング・ダイニング・キッチン全体に入れる場合で金額が何倍も変わる理由
1畳あたりの単価は方式と工法で決まりますが、実際の総額は「何畳分やるか」で単純に積み上がります。6畳の1部屋だけなら、施工費だけで30万~70万円程度です。リビング・ダイニング・キッチン全体(20畳前後)に広げれば、施工費が100万円を超えてきます。さらに温水式を選ぶと、熱源機の分がまるごと上乗せになります。面積と方式の両方で金額が重なって跳ね上がる点に注意してください。
このパターンに向く人
- 寒さ対策をリフォームのタイミングで解決したい
- 小さな子供やペットのいる家で、やけどの心配が少ない暖房方式を探している
- エアコンの風が直接当たるのが苦手で、足元から暖まる暖房を検討している
パターン2|古くなった床暖房を交換する(交換)
工事内容
交換の内容は、温水式と電気式で大きく異なります。温水式は熱源機(ボイラー・ヒートポンプなど)だけを交換するケースが多く、床を剥がさずに済むことがあります。電気式はパネルそのものが発熱体のため、壊れた範囲のパネルを床ごと交換する工事が中心です。
公開されている目安
熱源機だけの交換であれば、新設時と同じ熱源機設置費用の目安が参考になります。具体的には25万~100万円です(ゼヒトモ・ホームプロ)。熱源機は方式(ガス式・ヒートポンプ式など)によって価格帯が変わります。現状の方式を踏まえて見積もりを比べてください。
パネルごとの交換が必要な場合は、新設時の全面張替工法(1畳あたり約8万~11万円)と同程度の施工費用がかかります。これに新しいパネルの本体費用が加わると考えてください。
熱源機だけの交換か、床を剥がしてパネルごと交換するかで規模がまったく変わる
温水式の床暖房で「効きが悪い」「異音がする」といった不調が出た場合、原因は熱源機側にあることが多いです。配管やパネルが生きていれば、熱源機の交換だけで直る場合があります。一方、パネルや配管そのものに不具合(水漏れなど)がある場合は、床を剥がしてパネルごと交換する大掛かりな工事になります。
この見極めは現地での点検が必須です。「熱源機だけで直りそうか」「床を剥がす必要があるか」を、工事を依頼する前に業者に確認してください。
交換を考えるきっかけ
- 以前より効きが悪くなった、一部だけ温まらない
- 水漏れ・異音がある
- 温水式の熱源機は目安10~15年で寿命を迎えることが多く、年数が近づいている
パターン3|床暖房をやめて撤去する(撤去)
工事内容
床暖房のパネルと配管を取り外し、通常の床材を張り直す工事です。温水式の場合は配管の撤去も含まれます。
公開されている目安
【未確認・正直な報告】 撤去単体の費用については、具体的な金額レンジを明記した公開情報を、本記事の調査では確認できませんでした。撤去工事は「パネル・配管の撤去」と「床材の張り直し」の2つの作業からなります。金額感をつかむ目安としては、新設時の施工費用(1畳あたり約5万~11万円)のうち、張り直し部分がおおよその参考になります。これに加えて、撤去・廃棄の作業費が別途上乗せされます。正確な金額は、現地を見た見積もりで確認してください。
撤去を考えるきっかけ
- 温水式の配管漏れが繰り返し起きている
- 長年使っていない、使う予定がない
- 熱源機の交換費用を考えると、この機会にやめて光熱費を見直したい
撤去したあと、通常の暖房で足りるかの考え方
床暖房をやめると、足元からの暖房がなくなります。撤去を検討する際は、エアコンやヒーターなど他の暖房でその部屋の寒さを補えるかを、合わせて確認してください。特に断熱性能が低い住宅では、床暖房がなくなることで冬の寒さを強く感じるようになる場合があります。
金額が何倍も変わる理由(4つの要因)
1. 温水式か電気式か(熱源機の有無・配管工事の規模)
温水式は熱源機の設置と配管工事が必要なため、電気式より初期費用がかさみます。一方でランニングコストは使い方によって逆転することがあり、初期費用だけで方式を決めるのは早計です。
2. 施工面積(1部屋だけかリビング・ダイニング・キッチン全体か)
1畳あたりの単価は方式と工法でほぼ決まっているため、総額は施工する畳数にそのまま比例します。1部屋だけの後付けとリビング・ダイニング・キッチン全体への新設では、金額の桁そのものが変わります。
3. 床を剥がす大工事か、熱源機だけの交換か
床を剥がしてパネルごと交換する工事は、新設とほぼ同じ規模の工事になります。熱源機だけの交換であれば、床を触らずに済む分、工事期間も費用も抑えられます。
4. 既存の床下地・断熱の状態
床下に断熱材が入っていない住宅では、床暖房を入れても熱が下に逃げてしまい、効きが悪くなります。この場合、床暖房の設置と合わせて断熱材を追加する工事が必要になり、費用が上乗せされることがあります。
床暖房のリフォームで、知っておきたい3つの注意点
1. 温水式の熱源機は、エネルギー方式によってランニングコストが変わる
【設計実務の視点】熱源機選びは「今の設備」との相性も見る
温水式の熱源機には、ガスを使うタイプ、電気(ヒートポンプ)を使うタイプなどがあります。公開されている目安では、ガス式は熱源機の設置費用が10万
50万円です。電気(ヒートポンプ)式は30万100万円とされています(ホームプロ)。初期費用だけを見るとガス式が安く見えます。しかし、自宅にすでにガス給湯器があるか、電気契約のプランがどうなっているかによって、トータルのコストは変わります。見積もりを比べる際は、初期費用とランニングコストの両方を並べてもらってください。できれば同じ条件(使用時間・施工面積)で比較してください。
2. マンションでは管理規約や遮音等級の制約で、床暖房の後付けができないケースがある
マンションの床は、管理規約で床材の遮音等級(L-45など)が指定されていることが多くあります。床暖房のパネルを敷くと床の構成が変わり、遮音等級を満たせなくなる場合があります。マンションで床暖房の後付けを検討する場合は、着工前に管理組合への確認が必要です。
3. 床暖房の上に敷けるフローリング材・ラグには制限がある
床暖房の熱に耐えられない床材やラグを使うと、反りや変色、発火のリスクにつながります。床暖房対応と明記された床材・ラグを選んでください。無垢材の場合、床暖房対応品は通常品より1m²あたりの価格が上がる傾向があります。
※イメージ 見積もりの頼み先は、工事内容で分ける
熱源機1点だけの交換・パネル1枚だけの修理の頼み先
熱源機1点だけの交換や、パネル1枚だけの軽微な修理は、工事費が小規模に収まることが多いです。この規模では、全国規模の一括見積もりサービスでは対応条件に合わないことがあります。この規模の場合は、まずお使いの床暖房のメーカー・型番・方式(温水式か電気式か)を確認してください。そのうえで、メーカーの保守窓口か、地域の設備工事店に直接相談するのが早道です。
床を剥がす後付け・配管ごとの熱源機交換・撤去工事の頼み先
床を剥がして断熱材・パネル・熱源機を新規に入れる後付け工事、配管ごとの熱源機交換、撤去工事は、既存の床下地の状態や施工面積によって金額が大きく変わります。このため、現地調査と複数社の比較が欠かせない規模の工事です。この規模であれば、一括見積もりサービスも候補になります。
- リフォーム比較プロ — 広告主の案内では、全国500社以上のリフォーム会社が登録しています。申し込みのあと、本人確認(電話)があります
- ニッカホームの見積もりサービス(Re:est) — 大手リフォーム会社が運営し、見積もりか下見までを無料で受けられます。運営元の店舗網を使うため、対応エリア外からは申し込めません。お住まいの地域が対象かどうかを、申し込み前に公式サイトで確かめてください。また、本見積もりの金額が15万円以下になる見込みの小規模工事は対象外です。熱源機1点交換・パネル1枚の修理など小規模な工事を検討している方は、上記の直接相談の方が合います
依頼する時にメモしておくと見積もりが比べやすくなる4点
- 施工したい部屋と、おおよその広さ(畳数)
- 現在の暖房方式の有無(床暖房がすでにあるか、初めてか)
- 温水式か電気式かの希望、または現状の方式
- 床下の断熱材の有無(戸建てか、マンションかも伝える)
この4点をメモにして各社へ渡すと、工事範囲が揃った見積もりが戻ってきます。
よくある質問
床暖房は後からでも1部屋だけ入れられますか
はい、1部屋だけの後付けは可能です。施工面積が小さい分、総額も抑えられますが、1畳あたりの単価自体は部屋全体に広げる場合と大きくは変わりません。リビング・ダイニング・キッチンの一部だけに絞るなど、使う範囲を先に決めておくと見積もりが取りやすくなります。
床暖房の寿命はどれくらいですか
温水式の熱源機は目安10~15年とされることが多く、この年数を超えると交換を検討する時期に入ります。パネル自体の寿命は使用状況によって差があります。効きが悪くなった・一部だけ温まらないといった不調が出たタイミングで、点検を受けるのが現実的です。
床暖房のリフォームで使える補助金はありますか
床暖房の設置単体を対象にした補助金は限られます。一方で、断熱リフォームや給湯設備の省エネ化と組み合わせた国の支援事業、自治体独自の助成制度は存在します(リフォームガイド)。対象になるかどうかは制度ごとに条件が異なります。お住まいの自治体や工事を依頼する業者に、工事内容を伝えたうえで確認してください。
マンションでも床暖房の後付けはできますか
可能な場合があります。ただし、管理規約で床材の遮音等級が指定されているマンションでは、床暖房を敷くことで規約を満たせなくなるケースがあります。着工前に管理組合への確認と届け出が必要になることが多いので、早い段階で確認してください。
床暖房のパネルが一部だけ壊れた場合、全面交換が必要ですか
壊れた範囲だけの交換で済む場合と、配管の構造上まとめて交換が必要な場合があります。現地での点検が必須で、一概には言えません。まずはメーカーの保守窓口か設備工事店に点検を依頼し、交換範囲を確認してください。
まとめ
- 費用の目安:
- 施工費用(直張り・1畳あたり): 約5万~8万円
- 施工費用(全面張替・1畳あたり): 約8万~11万円
- 本体費用(電気式・1畳あたり): 5万
12万円/本体費用(温水式・1畳あたり): 8万15万円 - 温水式の熱源機新規設置: 25万~100万円
- リビング・ダイニング・キッチン全体(40m²程度)への新設: 約100万~150万円
- 撤去単体の費用は、今回の調査で具体的な公開相場を確認できなかった
- 金額が割れる理由: 温水式か電気式か、施工面積、床を剥がす工事か熱源機だけの交換か、既存の床下地・断熱の状態の4つ
- 頼み先の選び方:
- 熱源機1点・パネル1枚の軽微な交換はメーカー保守窓口か工事店へ直接相談
- 床を剥がす後付け・熱源機ごとの交換・撤去は2〜3社の一括見積もりを比較
- 見積もりの前に: 施工したい部屋の広さ、現在の暖房方式の有無、温水式/電気式の希望、床下の断熱材の有無をメモにまとめてから依頼する
出典(いずれも2026年10月15日確認)
- ホームプロ「床暖房を後付けしたい!種類別の特徴とリフォーム時の設置費用」(2025年7月1日更新)
- ゼヒトモ「床暖房にリフォームしたい!後付けの方法や費用を確認」(初回公開2022年10月31日・2024年9月30日更新)
- SUUMO(株式会社リクルート運営)「リフォームで床暖房を設置したい!床暖房の特徴や費用、温水式と電気式でリフォーム費用はどう違う?」(2026年3月31日更新)
- リフォームガイド「床暖房リフォームで使える補助金」(2026年2月26日更新、制度名のみ確認。金額は本記事では未使用)
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